中国新聞、球炎より。
若手育む先輩の気ずかい。
佐々木はプロ野球の全試合が見られるアプリをスマートフォンに入れている。故障した3月5日、横浜から帰るタクシーで、秋山から助言を受けた。
「気付くことがある。試合の感性を失うな」。同期の西川や渡部らの活躍に「嫌な気持ち」を抱きながらも見続けた。若者が伸び伸びとやるには、先輩の環境づくりが欠かせない。
練習でグランドに出た瞬間から小園や羽月に囲まれ、守備では矢野から何度も声をかけられた。円陣では声出し。「楽しかった」という感想に、勝てて良かった、を痛感する。
同点の4回1死1、2塁。打席に粘る中村。マウンドには大汗の森。ポリ袋がグランドに入ってきた。タイムがかかる。取りに行った秋山は、駆け寄るボールボーイに手で強く合図し、ポケットに入れた。佐々木がさばいた3ゴロ併殺はその後。嫌な間にしない。試合の感性そのものだった。
良き先輩達に囲まれた佐々木は幸せだと思いました。チームワークで一丸となって頑張れカープ!