しかし昨日は、小園・野間に矢野まで左打者のレフト打ち、末包先生のライト打ちが、面白いように決まったのう。
まるで計ったようにそれぞれ反対側のライン際を襲った打球が多かった。
昔なら右打者では菊ちゃんや會澤が、キレのある右方向への打球を飛ばすと、必ずと言ってエエほどタイムリーや長打になったものじゃが、
今は菊ちゃんのエエ時だけではなく、特に野間のレフト打ちは一昨年来、頻繁に見られるようになったし、
絶好調の小園は、いまレフトへ飛ばすと、ほぼ半分以上は期待してエエ打球になる。昨日凡退になったレフトへの飛球にも、惜しい当たりがあった。
じゃからと言って、エエ気になってはいけんじゃろうなあ。
今は打線に勢いがあるから、自分もそれ逆方向に飛ばせば何とかなる、とばかりにバットを出して、それがエエ結果になっておる。
しかしそれが、苦手な柳や阪神の村上・大竹あたりが相手になって、打線が沈黙し始めると、調子に乗って逆方向へ、なんて余裕は無くなるじゃろう。
やはりムードとか連鎖反応は大切じゃ。
しかし、力のあるチームは、膠着状態や閉塞状況に陥っている中で、何とか突破口をこじ開けようとする威勢のエエのが出て来るものじゃ。
力のある相手投手が、どうだ逆方向であろうが何であろうが打ってみろとばかり投球を操っている時に、小細工なり的を絞るなり選球眼で塁に出るなりで、
その投手のリズムを崩す、そんな工夫が欲しい。
いま小園は、打てばヒットになるような予感で、早いカウントで打って、あるいは高いボール球でもおっつけて、それがヒットになっている。
この調子が、あるいは運が、いつまでも続くものではない。
開幕当初は好調と思われた大谷クンも、一昨日までは数試合、ヒットすら打てない不調に見舞われた。
小園も末包先生も、今は打率を稼いで、そして不調に陥った際は、あるいは力のある投手にぶつかった際は、これまでの好調の中で掴んだ何かを生かして欲しい。
つまり、プロらしい哲学を身につけて欲しいということ。
彼等なら、それは努力すれば出来るじゃろう。
決して好調にあぐらをかくことなく、地道に好成績を続ける努力をして欲しい。
それがチームの力を蓄える、いざとなったら力を発揮する存在になることになるじゃろう。