特定選手について辞めろとか引退発表はしないのかといった投稿が後を絶たないが、こんな話を先日テレビ番組で聞いた。
若者に人気のサーティワン・アイスクリームの定番の中で、不動の最下位なのに何故か廃止されないフレーバー「大納言あずき」がある。
10年以上も最下位なので、全国支店長会議(同社は全国に千店舗以上ある)で廃止案を動議したら、全支店長から反対の声が上がった。
その理由を支店長たちに訊いたところ、
「来る日も来る日も大納言あずきだけを頼むお爺ちゃんがいる」
「他のフレーバー、例えばストロベリーであれば切れてしまった時にバナナなどは如何?と振り替えが利くが、大納言あずきは振り替えが出来ない」
といった理由が上がった。
この逸話から判る通り、<数字だけでは説明できない>こと、あるいは<表面的な商業原理だけでは切り捨てられない>ものがある。
確かに今、ベテラン選手たちは、数字が彼等の衰えを物語る。
しかし、数字だけでは判断できない、現場ならではの要素があるのは確かじゃ。
それが、新井監督の「家族」とか、センチメンタルな理由からではなく、現場で必要となるユニークな戦力として切り捨てられない、と。
ワシにとっては、「大納言あずき」は、何と言ってもプリンスじゃ。
「振り替えが利かない」という意味では會澤を挙げるべきじゃろうが、興業面でのプラスを別にしても、
やはり昨年のようにホームランを打ってくれれば、というかすかな期待を捨てがたい。
同じ右でも、和製大砲と期待されながら、あの通りの情けない三振を繰り返す末包を見ているとのう…。
みっともない三振をする意味ではプリンスも似ているし、あのハーフスイングで三振になる不甲斐なさを見ているとやきもきさせられるが、
今シーズンは柄ではない選手会長をやらされ、また序盤には4番の大役を任されて、最初は良かったのが段々調子をおかしくしてしまった。
そうしたメンタル面の不安は残るが、特に序盤、相手投手との相性によっては、打率あるいは一発が期待できる。
守備はユーティリティーで、バントも出来る右の長距離打者であれば、必要性は高いはずじゃ。
反対意見も多いじゃろうが、たとえ10年以上売り上げが最下位でも、大納言あずきを支持する支店長たちと同様、ワシはプリンスを支持する。