八王子のヒマ鷹 (ID:OTg4M2J)
ホークス物語98

清原が高校時代尊敬していたのは王監督だ。『巨人に行き、王監督の指導を受けて世界記録に挑みたい』と公言していた。

85年、ドラフト史上最大のドラマが起こる。

清原は巨人希望。桑田は早稲田進学希望だった。巨人スカウトも指名を一旦約束した。しかし、投手不足の巨人は桑田を逆転指名。このことは、王監督も会場に来るまで知らされていなかった。

『第一回選択希望選手、讀賣、桑田真澄投手、PL学園』 パンチョ伊東氏のアナウンスは、日本中に衝撃を与えた。記者会見中に清原は、報道陣の猛烈なフラッシュを浴びながら悔し涙を見せる。

運命のドラフト以降、清原の王監督への「憧れと愛情」は「恨みと憎しみ」へと変化する。客観的な巨人のチーム事情は理屈の上では理解しても感情面で納得できなかった。

87年の日本シリーズ、王手を掛けた西武が最後の守りについた9回2死。ファーストの清原が突然泣き出し、セカンド辻󠄀が慌てて慰めに行ったシーンがあった。『三塁ベンチの王監督の姿が目に入り、ドラフトの事を思い出してしまった』と涙の理由を語っている。

数年後、某テレビ局の企画で清原と大魔神佐々木が飲んでいる席に、王監督を偶然同席させ、和解して貰おうという番組があった。沈黙に耐え兼ねた王監督が『世の中、思い通りにならない事もあるが、頑張れ』と話しかけたが、清原は『天下の王監督が思い通りにならない事などないでしょう』と返すだけだった。 その後も23年間、清原は決して心を許すことはできなかったのだ。

08年、清原引退。運命の神様は、最後に粋な計らいをする。引退試合の相手は、王監督率いるソフトバンク。敵将から、清原への「花束贈呈」という場面を用意した。その時、王監督は考えに考えた「とっておきの言葉」を用意していた。

『23年間ご苦労様。今度生まれ変わったら、ホームラン競争しよう。同じチームでしよう。』 清原は、このメッセージを聞き、号泣…

23年間、積りに積もった感情を、全て洗い流してくれた言葉だった。お互いの心が、初めて通じ合った瞬間だった。

言葉の力は偉大だ。一つの言葉で、人は人を恨む事もあれば、許す事も出来る……
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