八王子のヒマ鷹 (ID:OTg4M2J)
ホークス物語86

甲子園球場に行くとビックリすることがある。

レフトスタンドに陣取ると、左中間にまで阪神応援団がいる。彼らは非常に統制が取れ、ライトスタンドのリーダーがマトイを振り、応援のリズムをピタリと合わせている。これだと、球場全体から阪神の応援が聞こえてきて、敵側にとっては正に『四面楚歌』。強烈なプレッシャーになる。

2003年の日本シリーズは、福岡で2連勝して甲子園に乗り込んだ。そこで待っていたのが、このタイガース応援団の大音響だ。当時、交流戦はなく、パリーグでは一番人気のホークスナインは、敵側のこれほどの応援には慣れていなかった。選手達は『地響きがする様な物凄い応援だった』とその時の衝撃を語っている。

第3戦、和田。第4戦、新垣。二人ともこの重圧に耐えかねて制球を乱し、金本に痛い一発を浴びた。第5戦、エース斉藤和巳までピンチに動揺したか、5回まで好投していたが、6回桧山に逆転タイムリーを打たれ敗れた。打線も、球場の雰囲気に飲まれ、援護できなかった。3連敗で王手を掛けられた。

翌日、帰福の新幹線でホークスナインは沈んでいた。3年前、ON対決で2連勝の後、4連敗して敗れ去った過去が蘇った。そんな状況で博多駅に降り立ったチームは、思わぬ光景を目にする。

約3000人のファンが、駅にナインを出迎えに来ているではないか。選手たちの姿を見ると、大きな拍手と歓声が沸き起こった。甲子園に行けず『応援で負け、選手に辛い思いをさせた』と言う博多っ子の気持ちが、そうさせたのだろう。 王監督は『あのファンの姿を見た瞬間、俺たちを応援してくれる人達が、こんなにも沢山いたんだと胸が熱くなった。これで、まだまだ戦えると感じた。』と語っている。

第6・7戦、杉内と和田が好投し、井口や城島ら打線も打ちまくった。ホークスは連勝。逆転優勝を成し遂げた。

このシリーズは『内弁慶シリーズ』として、球史に残る名勝負となった。 ファンの力で勝ち取った日本一と言って良いだろう。

博多のホークスファンに改めて感謝したい……
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⚾️好きな選手:牧原、周東、モイネロ、スチュワート
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