「慢心」・・・今季のカープを総括すると、この語が一番ピッタリ来るように思う。
○首位か2位に居る時に、昨年の9月の悪夢を教訓とせずに、主力投手の体力温存や、「1点をがめつく取る野球」を怠ったこと。
○大量点をリードしていた日ハム戦、ヤクルト戦で、相手の打力を軽く見て、追加点を取れるチャンスを逃した結果、自分で自分の首を絞めたこと。
○出来過ぎの両助っ人の打力に助けられているのに、何の工夫も打順の固定化もせず、序盤戦は打点を稼いでいた末さんの弱点を早く修正しておかなかったこと。
○何より、監督1年目でラッキーにも2位になった新井サンの強運が、2年目も3年目も続くものと信じてしまっていたこと。
挙げればキリが無いが、「油断大敵火がぼうぼう」という訳じゃ。新井監督は、反省とか警戒という言葉とは無縁らしい。
日曜朝は、冬季五輪出場権を賭けた女子カーリング団体決定戦で、過去に銅・銀メダルを獲得した人気のロコ・ソラーレが、予想外の敗退をした。
決定戦序盤には2連勝したものが、翌日は最後のミスショットが響いて2連敗、そしてその翌日は粘ることもなく、あっけなく散った。
どこやら今季のカープに似ているが、初年度の「まぐれの2位」が頭の中に残っているのか、カープは「謙虚に慎重に勝つ姿勢」に欠ける。
「慢心」とは、何も口に出して驕り高ぶったことを言ったり、相手を見下したりしなくても、その「見えない驕り」は、いつの間にか悪影響を及ぼす。
「平家にあらずんば人にあらず」と豪語していた者がおちぶれる、とまでは言わんが、調子がエエ時に備えをしなかったツケは、必ず後で回ってくる。
中村奨成は、すっかり謙虚になった姿勢で打撃開眼、いまだに昔の慢心の影は、姿を見せていないように見える。
今や「奨成和尚」と化した彼の達観した姿勢は、慢心することなく精進すれば、3年先には「奨成聖人(しょうにん)」と化すほどの素晴らしい打者になるじゃろう。
方や「平常心」をモットーにしている小園は、日曜現在で打率2位の泉口に1分(いちぶ)以上の差をつけた。
初球打ちもエエが、勿体ない打席を減らし、好球必打で毎試合最低1本のヒットを稼げば、エエ結果になるじゃろう。
そのためには、いつまでも慢心に陥ることなく、平常心で打席に向かう小園であって欲しいのう。