1月某日冷たい風が吹き抜ける、横浜市内にある慶應義塾高校の日吉台野球場では、同校の野球部員と、知的障害のある全国の中高生に硬式野球の練習、対外試合の機会を提供する「甲子園夢プロジェクト」の選手27人、そして青鳥特別支援(東京都)の部員11人による合同練習会が行われた。これは2021年にスタートして、6度目。
慶應義塾高校・森林貴彦監督の発案で、慶應高校部員とゲストの選手たちはペアを組み、マンツーマンで練習をともにする。ノック、打撃練習、ブルペン投球で汗を流す中、お互いに自然と会話を重ね、関係性も濃くなっていく。
一心不乱に、置きティー練習に取り組む選手がいた。広島県立黒瀬特別支援学校1年の南昊雅(こうが)君。広島県東広島市の自宅から朝一番で新幹線に乗り、日帰りで来ました。
練習パートナーを務めた慶應義塾高校の選手は「いいぞ!」「ナイスバッティング!」と笑顔で声を掛けていく。南君はさらにやる気がみなぎり、集中力が増していくのが分かる。
合同練習会を終えた南君は話した。
「優しくて、失敗しても丁寧に教えてくれたので、本当に良かったです。練習は全部楽しかった。慶應義塾高校の皆さんに『これが野球だな』と教えてもらいました」
南君を「一緒に野球をやらないか」と誘ってくれていた友達がいたが「障害もあるし、チームの足を引っ張るかもしれないから、やめておこうかな」
友達は「障害は、野球に関係ないよ。一緒にやろうよ」
南君は今日も、大好きな★「鈴木誠也」を夢見て、必死に白球を追って練習に取り組んでいる。
今通学している特別支援学校も、いろいろクリアしないとならない課題はあるが野球部を設立する方向に動いているとのこと。
汗を流した努力は無駄にならない、頑張れ南君
目指せ「鈴木誠也」を