八王子のヒマ鷹 (ID:OTg4M2J)
ホークス物語83

私の娘は秋山ファンだった。

小学生の頃、秋山が打席に立つと、メガホンを割れるほど叩いて応援していた。切っ掛けは、秋山のバク宙ホームインのビデオを見せた事からだ。『こんな凄い選手いるんだね。』子供心に、とても驚き憧れたのだと思う。

2002年夏頃、西武ドームに試合を見に行くと『秋山選手のサインが欲しい』という。ビジターでは難しいかなと思いつつ、『立川のホテルで出待ちするか。』と話し、選手のバスが戻ってくる頃を見計らって、ホテル前で待っていた。

ホークスのバスが帰ってきた。窓から秋山の顔も見えた。ここぞとばかり、背番号1のユニフォームを見せて『秋山さん、サインお願いします!』と大きな声をかけた。『疲れてるし、多分聞こえてもないと思うよ』と娘に話し半分諦めかけていたら、何と秋山が出てきてくれた。

私『お疲れのところ、本当にすみません。娘がファンなもので』
秋山『こちらこそありがとうございます。背中でいいですか?』と背番号の横にサインしてくれ『お嬢ちゃん、おじさんの事、いつまでも覚えていてね。』と戻っていかれた。

『いつまでも覚えていてね』という言葉に不安を覚えた。何か重大な決意を感じた。 案の上、暫くして『秋山引退』のニュースが飛び込んできた。

『まだまだ、プレー出来るじゃないか。もう少し頑張ってくれ』という王監督の説得を振り切っての決断だった。西武時代なら自分のプレーだけを考えていれば良かった。しかし、ホークスでは若手の手本にならないと行けない。腰痛が限界にまで悪化しており、練習面で手本になれなくなったのが決断の理由とか。秋山らしい最後だと改めて思った。

生涯2157安打、437本塁打、303盗塁、ゴールデングラブ賞11回。弱かったホークスを背中で引っ張り、初優勝。そして夢のON対決まで結びつけてくれた。

サインして貰って21年、娘は嫁に行ったが、宝物のユニフォームは当然持って行き、大切にしていると聞く。

秋山のことは、誰も忘れたりしない……
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⚾️好きな選手:牧原、周東、モイネロ、スチュワート
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