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しげちゃん
2025/12/04 18:00
(MjFmNTN)
オフなので野球に関係ない話です。(昔の実話)。
長文ですので気が向いたら読んでください。すみません。ある不治の病の女の子の話です。1歳の時から入退院を繰り返して5歳になりました。治療の甲斐もなくターミナルケア(終末看護)に入りました。
冬になり、お医者さんがその子のお父さんに言いました。「もう、なんでも好きなものを食べさせてやってください」。お父さんはその子に何が食べたいか聞きました。「お父さんぶどうが食べたいよ」と、女の子が小さな声で言いました。
季節は冬、ぶどうはどこにも売っていません。なんとかしてささやかな望みを叶えてやりたい。お父さんは東京中の店を探しました。どこにも売っていません。最後にあるデパートのフルーツ売り場を訪ねました。
「あの、、、ぶどうは置いていませんか?」祈る気持ちで尋ねました。「はい、ございます」案内された売り場には立派な巨峰がありました。しかし、お父さんは立ちすくんでしまいます。なぜなら、その箱には3万円という値札がついていたのです。
入退院の繰り返しで、そんなお金はもうありません。悩みに悩んだ末、必死の思いでお父さんは係の人に頼みました。「一粒でもいい、二粒でもいい、分けてもらうわけにはいきませんか?」。
事情を聞いた店員は数粒のぶどうを小さな箱に入れてきれいに包装して差し出しました。「どうぞ、二千円でございます」お父さんは病院へ。
「ほら、お前の食べたかったぶどうだよ。」女の子は痩せた手で一粒のぶどうを口に入れました。「お父さん、おいしいね。ほんとにおいしいよ」。そして間もなくして静かに息を引き取りました。今なら冬でもぶどうはありますが昔の悲しい出来事でした。